冷蔵庫に霜がつく原因は?

冷蔵庫に霜ができてしまう主な原因はこちら。
霜がつく原因
これらはそれぞれ単独でも霜の発生を引き起こしますが、複数の要因が重なることでより深刻な状態になることも。以下、それぞれの原因について詳しく解説します。
- 結露の発生
- 冷蔵庫の劣化
- 冷却方式が直冷式
結露の発生

冷蔵庫のドアを開けると、外の暖かい空気が冷蔵庫の中に入り込みます。この空気に含まれる水分が、冷たい庫内の壁や食品などに触れることで急速に冷やされ、水滴となって付着します。
この結露で発生した水滴がさらに庫内の冷気で凍ってしまうと、霜として氷のように残留。
とくにドアの開閉が頻繁だったり、開けたままの時間が長かったりすると、結露の量が増えて霜も厚くなってしまいます。
冷蔵庫の劣化

ドアパッキンで使われるゴム部分の劣化や、霜取り機能の低下など、経年劣化が原因だと買い替えも視野に入ります。
冷蔵庫の耐用年数は大抵10年前後なので、自分の冷蔵庫の使用年数を確認してみることも大切です。
冷蔵庫の劣化/故障の一例
【1】ドアパッキンの劣化
冷蔵庫のドアには、冷気が外に漏れないようにゴム製のパッキンが取り付けられています。
このパッキンが経年劣化で次第に硬化したり、変形・ひび割れを起こしたりすると、ドアがしっかり閉まらず、わずかな隙間から暖かい空気が庫内に流れ込んでしまいます。
こうなると、常に庫内で結露が発生する状態となり霜の原因に。
また、パッキン部分に食品の包装やゴミなどが挟まっても、同様に密閉性が損なわれるので注意が必要。ドアを締めたらしっかり確認、さらに定期的に汚れを拭き取り、異常があれば早めに交換することで対策できますよ!
【2】冷風の吹き出し口の詰まり
冷蔵庫には、冷気を循環させるための吹き出し口が設けられています。
この吹き出し口にホコリがたまったり、食品を詰め込みすぎて塞がれたりすると、冷気がうまく行き渡らなくなります。その結果、庫内の温度が安定しづらくなり、結露が発生しやすくなるのです。
こちらも結露→凍結→霜のサイクルが進む原因なので、庫内の整理整頓や定期的な掃除が大切です。
【3】冷蔵庫の寿命
一般的に冷蔵庫の寿命は10年前後、長くても20年保てば御の字と言えるでしょう。
長期間使用していると内部の冷却ユニットや自動霜取り機能の性能が低下。そうなると、本来は自動で除去されるはずの霜が残りやすくなり、徐々に庫内に霜が蓄積されていくのです。
とくに、以前は霜がつかなかったのに近頃急に霜が目立つようになった場合は、冷蔵庫の寿命が近づいているサインかもしれません。
霜取り不要の冷蔵庫でも、正しく使っていても霜が付くようであれば、買い替えを検討してみましょう。
冷却方式が直冷式

冷凍室がある冷蔵庫は、「直冷式」「ファン式(間冷式)」という2種類のタイプに分類できます。
その中でも直冷式は、ファンを使わず冷凍室を直接冷気で冷やす方式なので、空気中の水分も凍ってしまい霜の原因に。
冷蔵庫に霜取り機能が付いていなければ、数ヶ月毎の頻度で冷蔵庫の電源を落とし、霜を溶かす必要があります。
小型冷蔵庫にはなぜ霜ができる?

冷蔵庫の冷凍スペースを使う・使わないに関わらず、冷蔵庫の電源をつけている間は冷凍スペースが自動的に冷やされ、結果として霜が付く原因になります。
小型冷蔵庫には価格以外に「省スペース」「電気代が安い」「静音」などのメリットもありますが、定期的に霜取りなどのメンテナンスが必要なので注意して購入を検討しましょう。

小型冷蔵庫内の右上にある空間が冷凍スペース!アイスや氷などを冷やせて便利ですが、ここを冷やす方法が直冷式なので、次第に霜が溜まってしまうんですね・・・。
冷蔵庫の霜取り・氷を取り除く方法

決してアイスピックやドライバーなど、硬いもので叩いたり剥がしたりしないように注意しましょう。衝撃を与えると室内の壁に負担がかかり、破損や故障の原因にもなります。
所詮はただの氷なので、溶かして水にするというイメージが大切です。手間を掛けず素早く霜を取りたくなる気持ちを抑えて、下記の方法で霜取りを行いましょう。
冷蔵庫の霜取り方法
- お湯に浸したタオルで拭き取る
- 冷蔵庫の電源を落として放置
- ドライヤーで温める
お湯に浸したタオルで拭き取る

方法は簡単で、お湯で湿らせた温かいタオルを準備し、うっすらと付いた霜を溶かすように拭き取ります。冷蔵庫の電源を落とす必要がないので、非常にラクなメンテナンス方法です。
「霜取りのためにわざわざ冷蔵庫を空にして電源を落としたくない」という状況でも効果的で、月に1度の拭き取りだけでも霜を素早く除去できるでしょう。
ただし、付着している霜が大きい場合は不向きな方法です。室内は冷却中なので多くを溶かすには時間がかかり、さらに作業中は冷蔵庫の扉が開けっぱなしで無駄な電気を消費することに。
すでに霜が肥大化していたら、素直に冷蔵庫の電源を落として放置するのが最適です。
冷蔵庫の電源を落として放置

保存中の食品の移動や電源を抜く必要があるなど、準備に手間がかかるものの、その後は放置するだけで次第に霜が溶け切ります。
これだけでも問題はありませんが、霜が溶けたあとに残る水は意外と多いので、下記の対策をしておくと後々の処理に困りません。
- 放置中は必ず冷蔵庫のドアを開けておく
- 食品以外にも取り外せる部品や棚は外しておく
- 霜の下にタオルやビニール袋を敷いておく

そのため、事前に霜の付近にバケツやビニール袋をセットしておくと安全。棚などの部品も取り外せるものは外しておき、バケツなどがカバーできない隙間をタオルで塞いでおけば完璧です。
床を濡らさないためにもある程度の準備はしておいて、その後は霜が自然解凍するまで気長に放置しましょう。
ドライヤーで温める

ついでにもう片方の手で乾いたタオルを準備しておき、温めると当時に溶けた霜を拭き取ると効率的です。
放置しての自然解凍でも全く問題ありませんが、なるべく早く冷蔵庫に戻したい食品があるときなどは活用してみるのもおすすめです。
ドライヤーを使うのは危険?
あまりに高温のドライヤーで霜以外の部分を加熱してしまうと、冷蔵庫によっては壁の変形・破損につながる可能性があります。そのため、ドライヤーは必ず霜の部分に当てるように気をつけ、霜が薄くなってきたら使用を止めるのが安全。アイスピックなどで削るよりは低リスクですが、あくまで自己責任なので注意が必要です。
不安に感じる場合は無理に霜を温めず、自然解凍を待ちましょう。
霜を完全に取り除いたら

この際、冷蔵庫の電源をオフにしていた場合は再度オンに入れ直しておきましょう。電源やコンセントの確認は忘れがちなのでご注意を。
冷蔵庫が再び冷えるまでには時間がかかるため、それまでに取り出していた冷蔵庫の部品や食品などを庫内に戻しておきましょう。
冷蔵庫の霜への対策

なるべく霜を溜めないためにも、霜付きを事前に防げる方法や、霜が付きにくい使い方で可能な限り対策するのがおすすめです。
霜への対策方法
- 定期的に霜を拭き取る
- 扉を開ける時間を短縮
- 霜取り不要の冷蔵庫を購入
定期的に霜を拭き取る
冷蔵庫の霜対策としてもっとも手軽で効果的なのは、定期的に霜を拭き取ること。とくに冷蔵庫の壁面にうっすらと霜がつきはじめた段階で、温かいタオルや蒸しタオルを使ってこまめに取り除くことが大切です。
理想は月に1回を目安にチェックし、まだ霜が薄く柔らかいうちに対処するのがポイント。面倒に感じるかもしれませんが、拭き取り作業自体は5分程度で済むことが多く、負担もほとんどありません。
逆に、放置して霜が厚くなってしまうと、霜を取り除くのに準備+数時間が必要に。冷蔵庫の負担を軽くし、長く快適に使うためにも、定期的な掃除とメンテナンスを習慣化しましょう。
扉を開ける時間を短縮
冷蔵庫の扉を開けるたびに、外の暖かい空気が庫内に流れ込みます。これが結露や霜の原因なので、扉の開閉時間をできるだけ短縮し、頻度もなるべく減らすことで、霜の発生を抑えることが可能です。
たとえば、何を取り出すか事前に決めてから開ける、扉を長時間開けっぱなしにしない、家族内での無駄な扉の開け閉めを減らすといった工夫が効果的。
また、扉の開閉を減らすことは庫内温度の安定にもつながり、冷却効率が上がるため節電効果も期待できます。電気代を抑えつつ霜のリスクも軽減できる、シンプルながらとても有効な対策です。
霜取り不要の冷蔵庫を購入
霜対策の手間を減らしたいなら、霜取り不要の冷蔵庫を選ぶのがベスト。最近の冷蔵庫には、自動で霜を除去してくれる「自動霜取り機能」が搭載されたモデルが増えており、定期的な霜の拭き取り作業が不要な製品が多いです。
また、ファミリー向けだけでなく、一人暮らし用の中~大型冷蔵庫にもこの機能が標準装備されていることが多く、ほかの家事・掃除で忙しい方にもおすすめ。
一方で、小型冷蔵庫や格安モデルには霜取り機能が付いていない場合もありますが、最近では手頃な価格帯の冷蔵庫にも自動霜取り機能を備えた製品が登場しています。
購入するときは「霜取り不要」「霜付き防止機能付き」などの表記を確認し、自分のライフスタイルや手間とのバランスを考えて選ぶと良いでしょう。
冷蔵庫の適切な霜取り頻度

頻度が多ければ短時間で完了
冷蔵庫の霜取りは、こまめに行えば行うほど手間が少なく、作業も短時間で済ませられます。理想的な頻度としては月に1回程度のメンテナンスがおすすめ。霜がまだ薄く付着している段階であれば、温かいタオルなどでサッと拭き取るだけで簡単に除去できます。
反対に、3ヶ月や半年といった長いスパンで放置してしまうと、霜が厚く固くなるため、冷蔵庫の電源を切り数時間かけて自然解凍する必要が出てきます。
こうなるとかなりの手間で、庫内の食品を一時的に避難させる必要もあるため面倒です。
季節や使用状況によって霜の付き方や必要な霜取り頻度は異なるものの、できる限り霜を溜めずにこまめな霜取りを心がけることが冷蔵庫を快適に保つコツです。
低頻度の霜取りは庫内の食品に注意
霜取りの頻度が少ない場合、霜がしっかりと冷凍室の壁面に固着していることが多く、簡単には拭き取れません。この場合は冷蔵庫の電源をオフにして自然解凍を待つのがベターですが、そうなると庫内に入っている食品をすべて取り出す必要があります。
とくに冷凍食品は長時間常温にさらすと溶けて品質が劣化する可能性があるため、事前に処理しておくか、クーラーボックスなどの用意がないと作業は厳しめ。
また、冷蔵庫の中が常にパンパンに詰まっているような人にとっては、食品の移動だけで大仕事になることも。
そのため、あまり霜を溜め込まず、月に1度くらいのペースでこまめにメンテナンスを行った方が結果的に効率よく、庫内の食品にも優しく安全。
霜取りの手間を最小限に抑えるためにも、霜を溜め込まない意識が何よりも大切です。
冷蔵庫の霜取りをしないと故障する?

最初は壁面にうっすら付着する程度の霜であっても、それが放置されると霜の塊が徐々に肥大化し、さまざまな悪影響を及ぼします。
霜を放置するリスク
霜が冷凍室内に広がると、食品を収納できるスペースが減少してしまいます。
- 庫内のスペースが減少
- 冷却効率が低下し電気代に影響
- 扉が閉まらない・部品破損など
また、冷却効率が下がることで冷蔵庫がより多くの電力を消費するようになり、結果として電気代への影響も。直接冷蔵庫が故障しない場合でも、霜のせいで冷蔵庫へ負荷がかかってしまいます。
さらに、霜が厚くなりすぎると扉の開閉に影響するというケースに発展。
そうなると、扉の隙間から冷気が逃げ続けさらに霜が発生する悪循環に陥りるだけでなく、内部の温度が安定せず食品の品質低下、冷蔵庫内部のパーツが霜の圧迫で破損する可能性がでてくるなど、放置するほど様々なリスクが発生します。

ドライバーやナイフなどで強引に除去するなど、冷蔵庫の破損に繋がる霜取り方法を誘導してしまう原因にもなるでしょう。
霜自体が冷蔵庫の故障に直結するケースは稀ですが、そのままの状態で長期間使い続けることは、冷蔵庫の寿命低下や思わぬ破損を引き起こすリスクになります。
冷蔵庫を快適に長く使うためにも、こまめな霜取りを習慣づけましょう。
霜取り不要の冷蔵庫は?
ファン式の冷蔵庫

そのため、霜取りのメンテナンスが面倒な方は、冷蔵庫の説明文に「霜取り不要」「霜付き防止」「ファン式」などの記載がされている冷蔵庫を購入しましょう。
霜取りの経験がある方はご存知の通り、霜がつくタイプの冷蔵庫は非常にストレスが溜まります。
もし霜取りの経験が無く、「一番安い冷蔵庫でいい」「小さい1ドア冷蔵庫でも問題ない」と思う方であっても、可能な限り霜取りが必要ないファン式の冷蔵庫を選ぶのがおすすめです。
ファン式(霜取り機能付き)のおすすめ冷蔵庫
コンフィー RCB170DS1JP(E)【参考価格:約38,800円】
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東芝 GR-W15BZ1(W)【参考価格:約42,800円】
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