スチームオーブンレンジの種類、タンク式やカップ式・角皿式などの違いについて




スチームオーブンレンジのスチーム方法について確認してみると、タンク式やカップ式・角皿式などの「〇〇○式」といったようなものが記載されていることがわかります。

注視しなければあまり目に入らないような要素ですが、実はスチーム機能の質に直結する重要な要素だったりします。特に「スチーム機能が目当てでスチームオーブンレンジを購入したい!」とお考えの方であれば、それぞれのスチーム方式について知っておくとよいでしょう。

スチーム方式の種類

スチームオーブンレンジでのスチーム機能を大雑把にいうと、「室内に設置しておいた水を温めることで水蒸気を発生させ、膨大な熱量で食品を加熱する」というような仕組みとなっています。

それぞれのスチーム方式もその枠から大幅に外れるような違いはありませんが、水を設置する場所や水を加熱して水蒸気にさせる方法などの違いによって、最終的な食品の加熱具合に影響します。

角皿式の特徴について

角皿式は食品を乗せる角皿の溝に水を注いで加熱する方式です。

角皿に水を注ぐだけなのでスチーム加熱する際の準備が簡単で、かつスチーム方式が角皿式の製品は価格が安いというメリットもありますが、室内の温度によって水を沸かすタイプであるため他のスチーム方式と比べてスチームの力はさほど高くないという特徴もあります。

また角皿の溝に水を入れすぎると食品が水に浸ってしまうということもあったり、それにより注げる水の量も少量になりがちで、スチーム力の調整が難しいといった点もあげられます。

まぁ大量の水を注いだとしても加熱時の室内の温度による加熱だけではすべてを水蒸気に変えるのは厳しいため現実的ではありません。やはり直接水を加熱して水蒸気に変換する仕組みではないため、スチームのパワー不足という点が一番ネックになってきます。

「気持ち程度のスチーム機能があれば十分」「そこまでスチーム機能にこだわりがない」という方であればその価格の安さからおすすめできる可能性はありますが、スチーム機能をメインに考えている場合は後述するタンク式のスチーム方式がとられた製品を推奨します。

カップ式の特徴について

カップ式とよばれるスチーム方式は角皿に水を注ぐのではなく、付属されている専用のカップに水を入れ、食品と一緒に室内へ設置するという方式です。

こちらも室内の温度を利用して水を水蒸気へと変換するため、実質的には角皿式とほとんど変わらない特徴を持ち合わせています。製品は比較的安価な値段となっており、スチームの力はさほど高くないという点もまるまる同じ。

違いを挙げるとすれば角皿式と比べてスチーム後の清掃が簡単といったところでしょうか。角皿式は一度スチーム機能を使えば角皿を清掃しなければならないのに対して、カップ式であればスチーム後の汚れも少なく、カップの清掃も角皿よりもラクといった点で優位にたてているといえます。

個人的には角皿式よりもカップ式のスチーム方式が採用されたスチームオーブンレンジをおすすめします。ただどちらもスチームのパワーが高いとはいえませんので、スチーム機能を重要視される方であればタンク式のものを選ぶようにしましょう。

タンク式の特徴について

タンク式の製品は給水タンクがスチームオーブンレンジに内蔵されており、室内の加熱とはまた別に給水タンク内の水を加熱し沸騰させることで水蒸気を発生させます。

スチーム力の高さは食品の火の通りに直結する要素です。室内の加熱を利用してではなくタンク内の水をピンポイントで加熱させるため、沸騰し水蒸気となるまでのスピードが段違いに早く、スチーム力としては他の方式とは比べ物にならないほどのパワーを発揮してくれます。

使いやすさとしてもカップ式のものとさして違いはなく、多くの製品はタンク部分だけ取り外して水を注ぎにいけるため利便性も高くとどまっています。タンクの清掃も形状にはよりますがさして苦にはならないはずです。

上記のことから、「スチーム機能を使っての調理がしたい」という方にとってタンク式はまさにベストなスチーム方式となります。高性能なだけあってどの製品も高価なものばかりではありますが、スチーム機能を目当てにオーブンレンジを購入する場合はぜひともタンク式の製品を。

それぞれのスチーム方式と製品の価格の関係

角皿式やカップ式といったスチーム方式は仕組みが単純ということもあり、どのメーカーの製品であっても比較的安価なものがほとんどです。大抵はなんのスチーム方式も持たないオーブンレンジよりも数千円~一万円ほどプラスされた値段で販売されています。

その一方でタンク式のものに関しては基本的に高価な製品ばかりということを頭に入れておくとよいでしょう。タンク式のオーブンレンジは一般的にスチームオーブンレンジと呼ばれており、その高性能さから値段は35,000円~60,000円、メーカーによってはより高価な製品まであります。

それぞれのスチーム方式の項でも述べた通り、高価な製品であっても質の高いスチーム機能を使いたいという場合はタンク式のスチームオーブンレンジを。

スチーム機能に関して特にこだわりがないという方であれば角皿式やカップ式、はたまたスチーム機能のついていない通常のオーブンレンジを購入する、といった判断になるかと思います。

各々のライフスタイルに合わせた選択が求められますが、角皿式・カップ式ゆえのスチーム力不足や使いづらさはあれど、タンク式のスチームオーブンレンジにはそのような不満が出るケースはあまりありません。余裕のある方はハイレベルなスチーム方式を搭載したオーブンレンジを購入してみてはいかがでしょうか。