晩御飯ができる前にご飯が炊けてしまったとき。朝食のときに炊いてその日の晩までお米を温めておきたいとき。そんなときに炊飯器の保温機能が役に立つわけですが、保温の限界は果たしていつなのか?どれくらいの時間までの保温であればセーフなのかという点は気になるところ。
本記事では炊飯器の保温時間の目安や長期間お米の鮮度を保たせる方法などをご紹介します。
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一般的な保温の期間と目安
基本的にはどの炊飯器に関わらず、6時間~18時間ほどが保温期間の目安とされています。
それ以上の時間保温を続けるとお米の質が低下していき、おいしく炊けたご飯も微妙な食感になってしまいます。そのためお米の質を下げたくない場合は上記の時間、できれば6時間以内にでも食べきってしまいたいところですね。
もしくは保温でなく、パックやサランラップ等で包んで冷凍保存するとよいでしょう。冷蔵室でも構いませんが、冷凍保存であればなんと1ヶ月ほど保存することができます。
また炊飯器によっては保温機能に長けた製品もあります。そのような炊飯器であればまる1日ほど保温を続けてもそこまで風味が落ちず、美味しくいただけることになります。
ベストは保温機能を多用せずに食べきることですが、ある程度ご飯の質を落としてでも長時間の保温をしたいという場合もあるかと思います。その際は以下のポイントを抑えておきましょう。
保温に関してのポイント・注意点
1.保温時間が長くなるほど炊いたお米の質が低下する
これは先程お伝えした通りのポイントとなります。
保温を続ければ続けるほど炊飯器内のお米は水分がなくなり、次第に固くなっていきます。簡単にいえばふんわり感がなくなるので、美味しさや風味も減少するということですね。
もちろんそれを承知の上で保温をしているかとは思いますが、12時間以上の保温は風味だけでなく見た目や香りにも影響がでてしまいます。お米が黄ばんだり、ツンとした臭いがしたりという状況に。
そのため通常の炊飯器をお使いの場合は最大でも半日程度にとどめておくようにしましょう。
2.保温のON/OFFを使いすぎない、保温終了後はすぐに冷凍保存
保温機能を使っているときの炊飯器内部の温度は一般的に70℃程度とされています。
しかし保温機能をOFFにしてしまうと炊飯器内部の温度も低下してしまい、雑菌が繁殖しやすい環境が出来上がってしまいます。半日程度であればそこまで問題にはなりませんが、好ましい状況ではありません。
また保温のON/OFFを短期間に切り替えすぎるのもおすすめできません。中途半端な温度が維持されてしまうため、これもまた雑菌繁殖の原因になります。
保温機能を使う場合、OFFは一度きり。OFFにしたら素早く冷凍および冷蔵保存するといいですね。
3.しゃもじの入れっぱなしはNG
意外と気にかけない落とし穴のようなポイントですが、炊飯器内に使ったしゃもじをそのまま入れておくのは衛生上よろしくありません。
しゃもじを握る際に手に付着している雑菌や汚れがある程度しゃもじに移っている状態で、そのしゃもじを炊飯器の内釜に入れたまま…となると、これまた雑菌が繁殖する要因となってしまいます。
保温によって温度が高い状態に保たれているとはいえ、好ましい環境とはいえません。使ったしゃもじは炊飯器の中ではなく、サイドや別の場所においておくようにしましょう。
保温以外に炊いたお米の鮮度を保つ方法
保温も炊いたお米の鮮度を保つ方法の1つではありますが、1日以上の保存には適していません。
それ以上の期間炊いたお米を保存しておきたいという場合は、保温機能ではなく以下の方法で保存しておくと風味や食感を損なわずにすみます。
ラップで小分けにして冷蔵保存
保存可能期間目安:5日間ほど
炊いたあとに余ったご飯はラップやアルミホイルで包んで冷蔵保存ないし冷凍保存というのが一般的かつ安心な保存方法です。
なるべくご飯が温かいうちに包んでおくとお米の水分が蒸発せずにすむため、ラップで包んだまま再びレンジなどで加熱すると炊きたてのふっくらとした状態に近づけることができます。
冷凍保存と比べて解凍の時間がいらないため楽ではありますが、保存可能な期間はやはり冷凍保存に分があるといった具合です。状況に応じて使い分けたいところですね。
ラップやタッパーに入れて冷凍保存
保存可能期間目安:1ヶ月ほど
冷凍保存であればより長い期間保存することができます。
冷蔵保存であれば5日以内には食べきりたいところですが、冷凍保存ともなれば30日程度は腐らせずに保管することが可能。風味や品質に関しても高い状態を維持できます。
凍らせた状態で保管するため解凍するための時間が少々かかるという点は気になるポイントとなりますが、その分お米の質は冷蔵保存よりも良いものとなります。
ラップだけでなくタッパーでも同じことができますが、タッパーにお米を保存する場合はタッパー内部の隙間をなるべくつくらないようにご飯を詰めるのがベターです。タッパー内部の隙間が広いとお米の水分が飛んでしまう原因になります。
1週間以上の長期保存を考えるのであれば冷蔵保存ではなく冷凍室に保管するとよいでしょう。
保温機能に優れた炊飯器
前述した通り一般的な炊飯器の保温時間の目安は6時間~18時間ほどですが、保温機能に秀でた炊飯器であればそれ以上の時間、問題なく保温を続けることができます。
また単純に保温機能を使っての保存時間が伸びるだけでなく、長時間の保温でもお米の質が落ちづらいという点もポイントです。
炊飯器メーカーは様々ですが、こと保温機能に関しては「象印」の炊飯器が頭ひとつ抜けています。今回はその象印のラインナップの1つをご紹介。
象印 炊飯器 5.5合 圧力IH式 極め炊き NP-ZD10-TD
本製品は「高め保温」と「うるつや保温」の2種類の保温機能を使い分けることができます。
炊いたその日のうちにご飯を味わいたい場合は、ちょうど美味しく食べれる高めの温度で最大12時間まで保温できる「高め保温」を。
なるべく炊いたお米の質を落とさずに1日以上保温したい場合は、内釜の温度をお米の質や潤いが長時間保てる程度に調整して保温する「うるつや保温」を、といった具合にその日その日のライフスタイルによって適切な保温機能を選ぶことでどんな状況でも質の高いご飯を味わうことができます。
特に「うるつや保温」は最大で30時間までの保温が可能です。とても捗りますね。
まとめ
- 普通の炊飯器なら保温は6時間~18時間が目安。
- 長時間の保温はお米の質が低下するのでほどほどに。
以上が炊飯器の保温の時間の目安とポイントになります。
好きなときにそのままご飯を食べれる便利な機能ではありますが、保温機能を使っているからといって長時間炊飯器の中に炊いたお米を残しておくのはおすすめできません。
保温機能を使う場合はしっかりと保温時間を把握しておくか、長時間の保温をしているなと感じたらそのときは冷蔵庫や冷凍庫へ保管し直すようにすると安心です。