今では普通の電子レンジやオーブンレンジよりもこちら、過熱水蒸気で調理ができるスチームオーブンレンジを購入する方が増えてきているように感じます。
今回はスチームオーブンレンジと一括りにされている現状、その中に存在するそれぞれの種類や違いをお伝えしていきます。
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そもそもスチームオーブンレンジってなに?
一般的な電子レンジやオーブンレンジは食品を加熱する際、レンジ機能やヒーターで熱を加えていきます。スチームオーブンレンジはそれらに加えて、水蒸気を100℃以上に加熱した過熱水蒸気を利用して食品を温めることができます。
ひと昔前は過熱水蒸気でしか加熱ができない製品もありましたが、今では上記の加熱方法をすべてこなせるスチームオーブンレンジが主流となっています。
ちなみにメーカーによってスチームオーブンレンジだったり、過熱水蒸気オーブンレンジだったりと呼び方が変わってはいますが、それぞれに具体的な定義はありません。
どちらも過熱水蒸気を使って加熱する点では同じです。
呼び方だけでどちらが優れているという判断はできないので惑わされないようにしましょう。
なんで水蒸気なの?
水蒸気はただの水と違い、100℃以上の熱を保持することができます。
水だと100℃になると沸騰してしまいますよね。
最終的には300℃ほどの熱をもった過熱水蒸気で室内、つまり食品全体を覆い加熱していくことで、食品をムラなく温めることができます。
それだけではなく、
水蒸気を利用している理由として最も重要な点はその熱量にあります。
水蒸気はそこらの気体よりもかなりの熱量を保持することができ、それはすなわちかなりの熱量を与えることができるということでもあります。
▲フロリダの景色、フロリダは湿度が高く時期によっては湿度が90%にもなる。
たとえば気温が同じ40℃の地域でも、湿度が10%の地域と50%の地域では後者のほうがむし暑く感じるはずです。それは後者のほうが湿度が高く、それだけ多くの熱量が体に与えられているから。
サウナなんかでも同じことがいえますね。
サウナだと室内を60℃に設定しても火傷しませんが、60℃のお湯に体をつければ速攻で火傷します。
ようは水蒸気であっても温度を高めれば、オーブンと同じように食品に熱を加えて調理することができます。食品を焦がすことだって可能です。
しかしここまでの説明だと、結局なぜ水蒸気をつかうのかの説明としてはピンとこないかもしれません。「オーブンと同じように調理できるなら、水蒸気なんて使わずに普通のオーブンでいいのでは?」という疑問も残るかと思います。
次の項では過熱水蒸気を利用するメリットとデメリットをそれぞれお伝えしていきます。
スチームオーブンレンジのメリット
◯食品内の塩分や油を落としやすい
食品を加熱することで、中に含まれている塩分や油が水分とともに削ぎ落とすことができます。
しかしオーブンで加熱する場合、加熱していくうちに食品自体の湿度も低下してしまい、塩分や油のいくらかは食品内にこもったままとなってしまいます。
過熱水蒸気でもそういった油などを完全に取り除くことはできませんが、しかし食品の湿度を維持させながら加熱させる事ができるため、オーブンで加熱するよりもいくらか効率よく塩分や油を削ぎ落とすことができます。
また水蒸気を利用することで、常に食品の表面に付着している油を水分といっしょに落とせるといったところで、この点においてはスチームオーブンレンジが有利だといえます。
◯食品の湿度を維持・追加することができる
これも先ほどの話につながりますが、過熱に水蒸気を使っているので食品の湿度をなるべく落とさずに加熱することができます。
シューマイや肉まん、冷蔵庫で保存しておいたごはんなど、そのままの状態で加熱すると水分量が少なくカピカピになってしまいますが、過熱水蒸気を使うことでラップをせずとも食品のうるおいを維持させたり、また湿度を加えることができる点も魅力です。
スチームオーブンレンジのデメリット
◯普通のオーブンレンジよりも高価
やはり過熱水蒸気メニューを追加することで、オーブンレンジそのものの価格は高くなってしまいます。
また過熱水蒸気を利用する場合、オーブンで加熱するよりも電気代が高くついてしまうという点は避けられません。
つまり効率よく利用するのであれば、オーブン機能と過熱水蒸気機能をうまく使い分ける必要があります。
◯スチーム調理は時間がかかる
効率面のはなしをしましたが、低下するのは金銭的な効率だけではありません。
過熱水蒸気をうみだし、それを使って食品を加熱する、という作業にはそこそこの時間がかかります。
同じだけの加熱をする場合、基本的にはオーブンほどの加熱速度をあげることはできません。
料理にある程度の時間を使ってでも、過熱水蒸気でおいしくヘルシーに仕上げたいという方にこそ、スチームオーブンレンジが適切であるといえます。
「角皿式」と「タンク式」
スチームオーブンレンジは、
過熱水蒸気を発生させるための水をどこかに溜めておく必要があります。
その水の蓄え方はメーカーや製品によってまちまちですが、大きく分けて2種類に分類できます。
1つは「角皿式」。
上の画像のように、オーブンレンジ室内の角側に水を入れたカップを設置することで、過熱水蒸気を発生させるための水を確保する方法です。
そしてもう1つが「タンク式」。
こちらは室内に直接ではなく、給水タンクに水を入れておく構造になっています。
構造的にどちらが確実に優れている、というものはないのですが、、
基本的にはタンク式のスチームオーブンレンジのほうが水の注ぎ足しがしやすく、また過熱水蒸気を利用したメニューも多いのが現状です。
いまでは角皿式のスチームオーブンレンジもかなりの調理メニューが増えてきましたが、しかし「タンク式に追いつきつつある」というだけで、いまだタンク式スチームオーブンレンジに分があるように感じます。
そのぶんタンク式のほうが高価な製品が多いですが、いろんな調理を過熱水蒸気で行いたい方はタンク式スチームオーブンレンジを選ぶほうが現状は無難な選択だといえます。
まとめ
過熱水蒸気オーブンレンジはそれを利用しての料理がしたい方にこそマッチする製品です。
あまり料理をしない、ある程度の温めができれば十分、という方にとって過熱水蒸気メニューは宝の持ち腐れのようにも思います。
しかし、利用してみなければわからない機能というのも事実です。
現に過熱水蒸気オーブンレンジを使い始めてから、それを利用したレシピやメニューで店を構えたり仕事をしている人も少なからず存在します。
オーブンとはまた違った食感や味わいを感じることができるかと思います。興味のある方はいかがでしょうか?