電子レンジには下に丸いお皿がついているものとそうでないものがありますよね?
温めている途中に回るお皿がついているのがターンテーブル式で、電子レンジの下面に直接加熱したいものをのせるタイプのやつがフラットテーブル式です。
早々に結論を述べますが、機能面ではフラットテーブル式が圧倒的に優位です。
どっちがいいのか?と想像してみると、ターンテーブル式のほうが食品が回転する分だけ温まりやすい…と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。そのあたりも解説していきます。
なぜターンテーブル式は人気なのか
一言でいうと、安いからです。
ターンテーブル式の電子レンジはフラットテーブル式のものと比べて値段が安く、またシステム的にも簡単なものを採用している製品が多い傾向にあります。
ただ安いからといって問題があるわけではなく、ターンテーブル式の電子レンジであっても誤った使用方法をしない限りは通常通りの加熱をすることができますのでご安心を。
現にAmazonで人気の電子レンジとオーブンレンジを調べてみても、ランキング上位のものはすべてターンテーブル式の電子レンジだったりします。
ターンテーブル式の構造
前述のとおり、ターンテーブル式の電子レンジはフラットテーブル式よりも単純な構造をしています。しかしその分、フラットテーブル式と比べて加熱方法に難があるのです。
そんなコスト安でつくられているターンテーブル式の構造をざっと表したのがこちら。
ターンテーブル式の電子レンジの場合、「あたためボタン」をポチっと押すと下のターンテーブルがぐるぐる回りますよね。
これはアンテナから放出されるマイクロ波を温めたいものに全方向からまんべんなく届けるための仕組みです。
ターンテーブル式の電子レンジはマイクロ波を放出するところが1ヶ所で固定されているので、ターンテーブルがないとマイクロ波が届かない場所がでてきてしまいます。
ようは温度にムラができてしまうということですね。
この加熱方法こそがターンテーブル式の弱点で、そもそもターンテーブルを回して加熱していてもなぜか一部分だけ冷たいままという状況ができてしまう原因でもあります。
ターンテーブル式は食品が回ってくれないとダメ
要約するとターンテーブル式の電子レンジはターンテーブルがあるから食品が温まりやすくなるというよりも、ターンテーブルがないとまともに温まらないというのが現実です。
もちろん中の食品も回っていないとダメ。ターンテーブル式の電子レンジにちょっと大きめのコンビニ弁当を入れたら箱がぶつかってお皿しか回ってない、なんで状況は結構まずいです。
しかも問題なのがターンテーブルで回しながら加熱したとしても必ずムラなく温まるという訳でもないんですよね。
ターンテーブルに小さいパンをたくさん置いて温めたけど、このパンだけなんか冷たいみたいな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ターンテーブル式は低コストで製造できるから値段も安い
じゃあなんでそんな不便なつくりしてんだよ!その答えは「安くつくれるから」です。
温度センサーなんてつけなくても下に皿置いて回転させればある程度加熱できるし製作コストも安くなるよね、というのがリーズナブルな値段と簡単なつくりになっている理由です。
現に今でも「安く製造できてユーザーが満足してくれるならWin-Winじゃん」という理念のもと、様々なメーカーがターンテーブル式の電子レンジを安値で販売しています。
それでもリーズナブルさというのは非常に重要なポイントなので、あまり多くの機能はいらない、安ければ問題ないと考える場合はターンテーブル式の方がコンセプトに合っています。
ただもしターンテーブル用のお皿が割れてしまった場合は替えを用意する必要があります。とはいってもそこまで高価なものではないのでやはりコスト面ではターンデーブル式に軍配が上がりますね。
フラットテーブル式はどうなの?
フラットテーブル式の場合はアンテナを回転させているかアンテナ付近に金属のプロペラのようなものがついているなど、マイクロ波を拡散させるしくみが整っています。
そのためアンテナを固定させているターンテーブル式とは違って、ターンテーブルなんてなくてもムラなく食品を温められるというわけです。
電子レンジにギリギリ入るような弁当箱を温めたい時、もしくは複数の食品を同時に加熱したいときは特に重宝することになります。
また室内の容量をフルに活用できるのもフラットテーブル式の強みです。
ターンテーブルに載せて食品を回さないと温まらないのに比べて、フラットテーブル式は容量いっぱいにスペースを使うことができるのが魅力ですね。
ターンテーブル式のあたため時間は「重量」で決まる
ターンテーブル式の電子レンジは置いた「もの」の重量で加熱時間を決定します。
例えばターンテーブルの上にご飯の入ったお椀を置くとして、100gのご飯と30gのお椀で合計130gの食品が入っていると判断して温め時間を設定してしまいます。
つまりターンテーブル式電子レンジの場合、重たいお皿を使ってしまうとムダに加熱時間が長くなってしまうわけですね。
自分で加熱時間を設定するにしても、「このワット数でこの時間温めるとだいたい丁度よくなるかな?」と想像で判断しないといけません。
一方でフラットテーブル式の電子レンジは重量ではなく、温度を的確に測れる赤外線センサーが使われています。
なので「入れた食品が何℃になるまで」という明確な温度設定が可能になります。けっこう温めたけどあんまり温まってないなーもう一回!ということがなくなります。
とまぁここらへんの性能差もそれぞれの違いだったりします。やはり値段の高い電子レンジにはそれだけの理由と性能があるということですね。
おすすめできるフラットテーブル式オーブンレンジ
そんなわけで、電子レンジ・オーブンレンジに限らず基本的にはフラットテーブル式のほうが性能面で優秀であるということをお伝えしてきました。
ただその性能ゆえにフラットテーブル式のオーブンレンジはターンテーブル式の製品よりも値段が高くなりがちです。
そもそも単機能レンジでフラットテーブル式の製品は少ないですし、安さがウリなのがターンテーブル式の強みですからね。
しかしフラットテーブル式のオーブンレンジで、なおかつ高い性能を維持したまま値段も比較的安い製品というのも少なからず存在します。
「フラットテーブル式のほうがいいのは分かったけど、あまりオーブンレンジにお金はかけたくない」という方にとって非常に重宝する製品をご紹介。
アイリスオーヤマ オーブンレンジ 18L フラットテーブル MO-F1805
「低価格でそこそこの性能」といえばアイリスオーヤマ。
オーブンレンジとなればターンデーブル式の製品でも10,000円を超えるのがザラですが、この製品はフラットテーブル式でありながらもお値段約15,000円というリーズナブルさがあります。
さらに性能面で上なのはなにもフラットテーブル式だから、というだけではありません。
- 温度調整は200・400・500・600ワットの4段階調整が可能
- オーブン出力は最大200℃まで可能
- 室内スペースは食パン4枚を並べてトーストできるくらいの広さ
- 通常のあたためスタートはもちろん、解凍やトーストのほか十数種類の料理メニューあり
その他もろもろ、フラットテーブル式という利点を差し引いても同じ値段帯のオーブンレンジとは比較にならない性能を有しています。
さすがに数万円とするビストロやヘルシーシェフなどのスチームオーブンレンジと比べると性能面で見劣りしますが、1,5000円程度のオーブンレンジでこれだけの機能があれば十分すぎますね。
「ターンテーブル式のオーブンレンジは避けたいけど、できるだけ安価で性能のいいオーブンレンジが欲しい」という方にとって、この製品はまさにベストチョイスとなります。
パナソニック オーブンレンジ 26L フラットテーブル NE-MS266
フラットテーブル式かつ単体の性能も求めたい方はこちら。パナソニックが販売するフラットテーブル式オーブンレンジ、通称エレックをおすすめします。
まずはなんといってもスペースの広さ。先程紹介したアイリスオーヤマのオーブンレンジと比較してなんと約1.5倍、26リットルもの室内容量を持ち合わせています。こちらもターンテーブル式ではないため狭いターンプレートに載せたい食品を収める必要はなく、本来の広大なスペースを100%発揮することができます。
さらに特筆すべき点は選べる調理メニューの量。オーブンレンジの前面下あたりにびっしりと用意されたこれらのメニューをほんの少しでも使いこなすことができれば、食品の下ごしらえや茹でる・蒸すといった、普段の面倒な調理工程をこのオーブンレンジ1つで解決できちゃいます。余った時間は好きなことに使えるので、余計な時間を取らせないスマートなオーブンレンジといえますね。
またデザインも非常にグッド。時間入力や数字の選択はボタンでポチポチではなくダイヤルを回すことで入力できるため、同じボタンを何回も押したり▲←こんな感じのボタンを連打する必要もないので快適です。
総評すると、値段の割に総合的な面において優秀なオーブンレンジであるといえます。そのためAmazonでも評価は非常に高く、2020年6月現在でもAmazonのオーブンレンジ売れ筋ランキング2位を記録し、平均評価4以上かつ180件以上のレビューを獲得しています。
高級なオーブンレンジを買いたいとは思はないけど、便利で使いやすいストレスフリーなオーブンレンジをお求めの場合は購入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
といったところで、以上がターンテーブル式とフラットテーブル式の紹介でした。
要約すると「フラットテーブル式のほうが加熱ムラも少なく、性能も高いものが多い」というところですね。
なんでこんな記事を書いたかというと、ターンテーブル式のほうがお皿が回ってお得!と感じている人がわりと多いんじゃないかと感じたからです。
ターンテーブル式の製品はその安さも相まって優秀だと勘違いしてしまいがちですが、性能を求めるのであればフラットテーブル式の電子レンジないしオーブンレンジを選ぶようにしましょう。
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