直冷式の小型冷蔵庫を利用する場合は必然的に、「定期的な霜取りをしなければならない」というハンデを背負うことになります。
もし霜取りが必要なことを考慮したうえで、それでも直冷式の小型冷蔵庫を選択したい、もしくはもう小型冷蔵庫を買ってしまった!という方へ。
「霜なんて電源を落として放置すれば勝手に溶けるでしょ?」
その数時間後に大量の霜解け水が床を濡らして泣くことの無いよう、今回は失敗しない霜取りの方法を解説していきます。
適切な霜取りの頻度は?
霜取りの方法以前に、どのくらいの頻度で霜取りをすればいいのかというのも気になりますよね。
気になる方はちょっとでも霜がたまるとすぐ取り除きたくなりますし、逆にできる限り霜取りなんてしたくないという方も当然いらっしゃるかとは思います。
霜取りをしすぎて困ることはありませんが、しかしあまり霜取りをしたくないという方でも1ヶ月に一度は霜取りを行うようにしましょう。
1ヶ月程度であれば冷蔵庫の使用頻度にもよりますが、大抵は薄く霜がついている程度のはずですから、溶けた霜が大量の水となって処理に困るといったこともないかと思います。
しかし2ヶ月も3ヶ月も霜取りをしない方は、おそらく本格的にヤバいと感じるまで霜取りをしないような気がします。
そこまでくると霜取りに時間もかかるし準備も多くなるなどかなり面倒なことになりますので、霜取りは3週間~4週間ほどに一度、定期的にやっていきたいところです。
霜が溜まることによるデメリット
「ちょっと冷凍室まわりに氷ができるだけじゃん、問題ないって!」
という考えの方はさすがにいらっしゃらないと思いますが、念のために霜が溜まることによる不都合を一通りご紹介していきます。
- 冷凍室まわりのスペース減少
- 室内が冷えづらくなり電気代の増加
- 霜の溜まりに限界はないという点
まず霜がまわりに溜まることで室内のスペースが圧迫されます。まぁ当然ですね。
ではそれ以外に何が問題になるかというと、霜が溜まってしまうことで本来室内の食品を冷やすためのエネルギーが霜にも使われてしまうというのが困りどころ。
その結果、「冷蔵庫が普通よりも冷えにくくなる = 電気代が余分にかかってしまう」という状況になります。これは無視できないデメリットだと思います。
さらに霜は溶かすなり除去するなりでリセットしない限り、延々と肥大化しまうというのも霜取りを定期的に行わなければならない理由になります。
「このぐらいのサイズなら全然平気」と思っていても、その数週間後にはそれ以上のサイズになっていたりするのでなかなか厄介。なので霜が小さいうちに処理しておきたいところですね。
霜の量に応じた霜取り方法
まずはじめに霜取りを始める前に認識しておきたい重要なポイントがあります。
それは、霜は溶かして処理するものだということです。
決してアイスピックや硬い物で叩いたり剥がしたりして処理することのないようにしてください。
霜が溜まりに溜まって大きくなっていたら削り取りたい気持ちもわかりますが、冷蔵庫や冷凍室のかべを傷つける原因になりますのでご注意を。
所詮はただの氷なので、溶かして水にするというイメージで作業をしましょう。
代表的な霜取りのやり方としては、
- お湯に浸したタオルで拭き取る
- ドライヤーで温めて溶かす
- 冷蔵庫の電源を落として自然解凍
という方法があります。
いろんなやり方があって難しそうに見えるかもしれませんが、やること自体は誰でもできる簡単なことです。それぞれパパっと見ていきましょう。
1.お湯に浸したタオルで拭き取る
このケースは霜が少ししかついていない場合に有効です。
霜を少しでも溜めたくない、週に一回は霜取りをしたいという時にはこちらの方法がおすすめです。
やることはいたって簡単で、お湯で湿らせ温めたタオルでうっすら付いている霜を溶かしながら拭ききっていきます。
少ない量の霜であれば冷蔵庫の電源を落とさずとも霜を拭き取って処理できますので、月に一度も冷蔵庫を空にして電源なんか落としたくない!という方に向いている方法だと思います。
ただ1ヶ月と放置していれば霜はそこそこの量になっていますので、おそらく温かいタオルでパパっと拭き取るのは難しいかと思います。
その場合はしかたないので冷蔵庫の電源を落として霜を処理するようにしましょう。
2.ドライヤーで温める
ドライヤーで霜を温めると放置するよりも早く霜を取り除けます。
時間があれば次の項目でお伝えするそのまま放置でもいいんですが、霜が溶けるまで気になってしょうがない方はドライヤーでサクッと温めてしまいましょう。
ついでにもう片方の手でタオルを持って、溶けた霜をすぐに拭き取れる状況にしておくと霜取り作業が捗ります。
有効な手ではありますが、あくまで常温まで待つよりかは早いという程度です。そのため冷蔵庫の電源は落としてから温めるとよいでしょう。そっちのほうが早く処理できますし、エコですからね。
溶けたあとの水はタオルなどで適当に拭き取っておきましょう。
【 Q 】ドライヤーを使うと危ないって聞いたけど?
冷蔵庫の壁面にドライヤーで熱を加えるのはよくない!という意見も見られますが、基本的に霜が付いている状態でドライヤー程度の熱を加える分には問題ありません。
たしかに霜がついていない状態で長時間、ドライヤーの熱を加えると冷蔵庫の壁面や部品に悪影響が出る可能性も無いとはいえませんが、その前に必ず霜が溶けきります。
そのためドライヤーで霜を溶かすのは危険な行為ではありません。ただ冷蔵庫の電源をOFFにすれば放っておいても霜は溶けていきますので、急ぎでなければ電源OFFからの放置が安定ですね。
3.タオルを敷いて放置
時間はかかりますが霜を溶かしている最中は放置でいいのである意味一番ラクな方法です。
方法はいたって単純、霜が付いた冷凍室まわりにタオルなどを敷いて霜が溶けるまで待つだけです。
霜を自然解凍させる場合はあらかじめ冷蔵庫の電源をOFFに、室内の食材や取り外せる部品・棚などを外しておきましょう。溶けた霜でビショビショは嫌ですからね。
まぁこれだけでも霜は溶けてくれるんですが、後々の処理に困らないためのお話を少々。
霜を放置して溶かしている時、このとき冷蔵庫のドアは開けておくようにしましょう。
単純に冷蔵庫の中が素早く常温になりますし、霜が溶け終わったあとドアを開けたら溶けた水が溢れてきちゃった、といったケースを避けることができます。
かなりの量の霜が溜まっている場合は、冷凍室の下かその一つ下の段にビニール袋やバケツをセットしておくと◎です。ビニール袋やバケツがカバーできない隙間をタオルで埋めておけばもう完璧。
さらにそれでも水が溢れてきたときのため、扉の外にもタオルを敷いておくと安心できます。霜取りでとれる水の量は思った以上に多いので用心に越したことはありません。
ここまで準備すれば万全です。あとは霜が溶け切るまで気長に放置しましょう。
霜を完全に取り除いたら
霜が溶けきれば、最後に乾いたタオルで冷蔵庫の中をキレイに拭いておしまいです。
このとき冷蔵庫の電源をOFFにしていた場合は再度ONに入れなおしておきましょう。ここ結構忘れがちですのでご注意を。
冷蔵庫が再び冷え切るまでには時間がかかりますので、その間に外へ避難させておいた食品や冷蔵庫の仕切りを戻しておくと効率的です。
そもそも霜が付かないようにするにはどうすれば?
さて、ここまで霜取りの方法や頻度によるお話をさせていただいたのですが、「そもそもの話で霜が付かないような使い方ってどうすればいいの?」という疑問もあるかと思います。
結論からになりますが、残念ながら直冷式の小型冷蔵庫である限り、冷蔵庫を冷やしていればどんな使い方をしていても霜は溜まっていってしまいます。回避方法はありません。
ただそれでも、
- 扉の開閉はなるべく短時間で、開閉の頻度も少なくする
- 冷蔵庫の設定温度を過度に低くしすぎない
これらの点に気をつければ、霜の溜まるスピードを少なからず遅らせることができます。
上記の点をふまえて、どうしても霜取りが億劫に感じる場合はこれを機に、直冷式ではない小型冷蔵庫へ乗り換えるのも1つの手だと思います。現に私も今は小型冷蔵庫を使っていません。
それでも1ドアタイプ(直冷式)の小型冷蔵庫を使い続けるのであれば、霜取りという作業に向き合う必要があります。とはいっても難しい作業ではないので時間をかけれるかどうかだけですね。
まとめ
ということで、霜取りの方法と手順をまとめてみました。
長々と書きましたが、霜取りは面倒くさいというだけで実は簡単な作業ですので、面倒ごとがさらに厄介ごとにならないよう、霜取りは定期的にやっていきましょう。
なお前述しましたが、霜取りは直冷式冷蔵庫の定めですので残念ながら回避することはできません。冷蔵庫の中が冷えている限り、霜はドアを開くたびに勝手にたまってしまうものですからね。
どうしても面倒くさくて無理!という方はお金がかかりますが、素直に霜取り不要の冷蔵庫を購入しましょう。大抵は2ドアタイプ以上の冷蔵庫になりますけどね。